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Elvis Costello "solo" !! at Bunkamura orchard hall
 来日公演にいくたびに違うスタイルで魅せ、聴かせてくれるE.コステロのライブ。

今までにいったライブのスタイルでは、ある時は彼の初期のバックバンドであるアトラクションズ(※1)だったり、まったく違うバンドだったり、またある時は弦楽四重奏だけだったり(※2)と、いつもまったく違ったスタイルのライブで、そのいずれもがすばらしいものだった。

※1 再結成時なので、ベースのブルース・トーマスは不在。スティーヴ・ナイーヴによる超絶テクニックのテルミンが印象的だった。

※2 NHKホールでやったアルバム「ジュリエット・レターズ」のツアー

ロック、ポップ、カントリー、フォーク、ジャズ、クラシックなど幅広い音楽の引出しを持つ彼が今回僕らに用意してくれたライブスタイルは"solo"…バックバンドなしの単独ショーだ。



彼はやはり音にこだわりがあるのだろう、過去のライブでもNHKホールなど音響が良いホールを選んでいる。今回のライブもクラッシックの演奏に使われる「オーチャードホール」だった。今回はじめて訪れたのだが、とても高級感のある落ち着いたホールだった。客の年齢層は高めで、文化人っぽいちょっとおしゃれな感じの大人や、外国人が多かった。

2階の客席から見下ろした広いステージの中央、3分の1たらずのスペースにこじんまりとつくられた円舞台があり、そこには7-8本のギターがステージを取り囲むように並べられている。その他に並んでいたのは、ギターのエフェクターやシーケンサーがおさめられたラック、ギターアンプなど。ステージ中央にはスタンドマイクが一本、足下にはモニタースピーカーと小さなフットペダル。ステージ右手には椅子と、座って歌うためのマイク。とてもコンパクトな舞台装置だ。

午後7時を10分ほど回った頃に彼がステージに登場し、ギターを抱えてから無造作にシーケンサーらしきマシンのスイッチをタップすると、Green ShirtのイントロとわかるSEが流れた。そのままシーケンサーのビートに載せて演奏するスタイルか?と思わせておいて、そのシーケンスはすぐに8小節ほどで止み、彼はその後を引き継いでギターだけでGreen Shirtを演奏しはじめた。ギター一本で奏でられるタメの効いた16ビート、圧倒的な存在感のボーカル…一瞬にして彼の世界に引き込まれてしまった。

その後も結局、シーケンサーはNational Ransomでフルに使用した以外では、稀にSE的に使われただけで、基本的にすべての演奏は彼のギターのみによって行われた。とはいってもさすがは巧者でちょっぴりひねくれ者のコステロだけのことはあり、普通の弾き語りとはひと味も二味も違っていた。

A Slow Drag With Josephineでは、オーチャードホールの音響と自身の声量を生かして、広いホールでアンプなしの生ギターと生声、口笛だけの演奏を聴かせてくれた。観客は息をひそめるようにこの演奏を聴き、演奏が終わった途端に会場は大拍手につつまれた。

Watching The Detectivesでは、フットスイッチでコントロールできるサンプラーでまずは自分がその場で弾いたギターリフをサンプリングしてループさせ、さらにその上に過激なギタープレイを次々に重ねて、スリリングでちょっと狂気すら感じさせるサウンドを鳴らしてみせた。

自分の曲からつなげてビートルズのカバーを披露するという茶目っ気も見せた。

唯一、一曲フルにシーケンサーでの演奏を使用したNational Ransomでは、舞台を真っ暗にしたまま登場し、警備員が使う赤い誘導灯を振りながら、音の割れた拡声器(たぶん)で歌った。そのパフォーマンスは非常に幻想的でパンキッシュだった。

その奇妙なパフォーマンスの直後に、椅子に座ってSmileとSheのメドレーをしっとり聴かせるのだから、そのギャップには鳥肌がたってしまった。これには僕もまいったけれど、kikiさんもそこの流れ(SmileとSheのメドレー)が一番気に入ったようだ。
その後にはさらに僕が初期のコステロの中でも特に好きな曲、Red Shoesをやったので嬉しかったな。

そんなふうにいろんなスタイルで聴かせてくれたのだけれど、どの演奏でもいえるのは、とにかく圧倒的な歌のうまさ…ピアニシモからフォルテシモまで、彼の声で空気が震え、観客の心が震えた。もちろんギターもすごくうまいことは、いうまでもない。

終わってみれば、もう午後9時…アンコールのインターバルもごく短く、ギターと歌だけでほぼぶっ通しで二時間演奏し続け、観客を魅了し続けた。本当にすばらしいライブだった。曲が終わるたびに起こる大きな拍手と、彼の満足そうな笑顔(二階席でよくは見えなかったけど、確かに笑っているように見えたんだ)が今も心に残っていて、思い出すとなんだか、にんまりしてしまう。

ああ、これから僕もどんどん歳をとるけれど、どうせならあんな風に楽しそうでかっこいいオジサンになりたいもんだなあ。

ちなみに今日が追加公演。昨日、会場でチケットを販売していたところを見ると若干当日券があるかも知れないので、お時間のあるかたはぜひ足を運んでいただきたい。絶対におすすめできるライブ。(渋谷オーチャードホール 03-3477-9053 午後7時開演)



演奏曲目
1)  Green Shirt
2)  Either Side Of The Same Town
3)  Veronica
4)  I Hope You're Happy Now
5)  My Three Sons
6)  New Amsterdam 〜You've Got To Hide Your Love Away
7)  Everyday I Write The Book
8)  Bedlam
9)  Monkey To Man
10)  Beyond Belief
11)  All Or Nothing At All
12)  A Slow Drag With Josephine
13)  Jimmie Standing In The Rain
14)  Watching The Detectives
15)  Radio Sweetheart 〜 Jackie Wilson Said
16)  Alison 〜 Somewhere Over The Rainbow

17)  National Ransom

18)  Smile 〜 She
19)  (The Angels Wanna Wear My) Red Shoes
20)  (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding?
21)  I'm A Mess
22)  Oliver’s Army
23)  Pump It Up 〜She's A Woman
| 音楽 | 16:49 | comments(2) | trackbacks(0) | ↑TOP
はじめまして、エルヴィス・コステロのファンBlogをやっております、ayakoと申します。来日公演の記事、楽しく読ませていただきました。私はギターや機材のことはよくわからないので、とても参考になりました。事後報告で申し訳ありませんが、ブログにリンクを貼らせていただきました。もしも問題がありましたらお知らせください。
| ayako | 2011/03/09 1:38 AM |
ayakoさん、はじめまして。
ブログからこの記事へリンクを貼っていただき、ありがとうございます。もちろん、何ら問題ありません。他の方の記事も先ほどいくつか拝見しました。とても面白かったです。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
| masato/がべじん | 2011/03/09 12:12 PM |
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