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CRM250AR キックスターター修理 謎のワッシャーに翻弄される
先々週の日曜日のこと。久しぶりにCRMに乗って出かけたのですが、キックスターターが不調でなかなかエンジンがかけられず、困ってしまいました。キックスターターのラチェットが頻繁に空回りするようになってしまったのです。

完全に一番上までキックをあげて、一呼吸置いてそーっと踏み降ろすと、ラチェットが正しくかかってキックできるのですが、そこからほんの少しでも低い位置からだったり、あげてすぐ素早く踏み降ろすと、ラチェットがはずれてカララララっと空転してしまうような状態で、三回に二回はキックに失敗してしまいます。
自走ツーリングに使用するバイクですから、エンジンがかけられずに帰って来れない、なんて事体に陥ると困ってしまいます。これは早急に修理しないと。

そこで、これはキックスターターのラチェット機構の故障だな、とだいたいの見当をつけて、さっそく翌日の朝からバラしてみました。

スターターにたどり着くには、右サイドカバー、マフラー、チャンバーをはずし、クーラントとギヤオイルを抜き、キックペダル、ブレーキペダルをはずし、オイルポンプのケーブルとオイルホースをはずし、これでようやく右カバーが開けられます。続いて、クラッチ板をはずし、クラッチインナーとアウターをはずして、ようやくキックスターターAssyにたどり着きます。特に難しくはないのですが、やることが多くてめんどくさいですね。


スタータAssyを見たところでは、ラチェットの歯の欠損や著しい摩耗はなし。


そこで、これはラチェットスプリングがへたって、ラチェットの軸方向の戻りが悪くなって、それによってラチェットの歯の噛み合いが甘くなっているのでは?と考えました。



さて、それでは、ラチェットスプリングを新しいのに換えてみようと思ったのですが…ここで、一番端のスナップワッシャがはずれない、という問題が発生。

マニュアルではただ「外す」とだけ書いてあるだけなので、シャフトを通って抜けるはずなのですが、なんだかシャフトより内径が僅かに小さくて抜けない感じ。無理矢理抜こうとしたけれど、それでもどうにも抜けない…。

この段階では、このワッシャ自体が変形していて、それが不調の原因になっているのかな?と思っていました。このワッシャも交換する前提で、シャフトを傷つけないように抜く方法を考えました。それは…

「ガスコンロで炙る」でした。
金属の熱膨張によって、ワッシャの内径が僅かに広がって、なんとか抜くことができました。ワッシャや隣のラチェットスプリングには焼きが入ってしまい、再利用はできなくなりますが、交換する前提なので、まあ良しとしましょう。

さて翌日、新しいパーツが届いたので、さっそく取り付けることにしました。
スプリングの新旧を比較。
古いスプリングはやはり、だいぶへたっていました。

とはいえ、ワッシャを抜く際に火で炙ったので、縮んだ形状で焼きなまされ、さらにひどくなった、というのもあるでしょうね。

いずれにせよ、新しいスプリングをいれて、新しいワッシャをするっと嵌めたらキックスターターAssyの完成…だと、思っていました。ところが、です。
新しいワッシャーも入らないのです。古い方は、変形して抜けなくなってたわけじゃなかったんです。

むろん、シャフトの方に原因があるわけでもありません。
よくよく見ると、このワッシャはこんな形をしているのです。



これでは、すんなり入るわけではありません。サービスマニュアルでは「スナップワッシャ」パーツリストでは「ワッシャ、スペシャル」と記載されていますから、ただの真円ワッシャではなく、ラチェットスプリングを嵌めた後に、これを「何らかの方法で」嵌めて、スプリングがはずれないようにスナップしておくための特殊なワッシャらしいのです。



じゃあ、どうやって嵌めるのだろう。火であぶるわけはない。
ひとしきり頭をひねりました。悩んだ末に、僅かに弾性変形させたら入るかも、と思いました。

バイスに挟み、少しだけ締め付けました。

塑性変形させないように、少しだけ。シャフトを入れてみました。
ん、まだダメか、もう少しだけ締めてみよう。


いやー。入りました、入りましたよ。
バイスの締めつけを解除すると、もとに戻り、ちゃんと抜けなくなりました。
とりあえずOKでしょう。
しかし、正しくはどんな方法で入れるべきだったのかは、未だにわかりません。ぜひ知りたいですので、ご存知の方は教えてください。

ともかく、後はまた一つづつ逆の手順で組み上げて行きます。

今回は後でキャブセッティングも確認したいと思っているので、正しいセッティングがわかりやすいであろうノーマルチャンバーで組みました。

水を入れてオイルをいれて、キックを踏むと…
ばっちりです、何回踏んでも、ちゃんとラチェットがかかってしっかりキックできます。まだまだ細かい要整備箇所がたくさんあるCRMですが、これで、エンジンがかけられず帰って来れない、ってことはなくなりました。

震災の日は、CRMに乗って出かけていたおかげで、電車が止まったり車が大渋滞したりしている中をスムーズに帰宅することができました。二年後の3月11日もCRMに乗ってみました。前日のホコリで目や鼻をやられたので、マスクをつけて。

うん、やっぱりいいバイクだ!そろそろ欠品になりそうなパーツもあるようですが、まだまだ頑張って乗り続けたいですね。
| オフロードバイク CRM | 19:49 | comments(3) | trackbacks(0) | ↑TOP
ご無沙汰です。
スナップワッシャはお見込みのとおり、バイスで変形させて脱着するのが正解と思います。当方も30年以上、同じやり方で通してきました。欧州製4輪のAT(ZFとか)にはこの形式のワッシャがワンサカ使われていて脱着に苦労した記憶があります。
| かのう | 2013/03/12 8:07 PM |
かのうさん、こんにちは。
これで正解ですか?なんと!思いつきでやってみたんですが(^^) それにしても、サービスマニュアルにも簡単に書いておいてくれたらと思うんですが、そんなもんはメカニックの間では常識だよ、ってことなんでしょうかね。まだこのワッシャには、この他の整備では当たったことがないんですよ。
| masato/がべじん | 2013/03/14 5:47 PM |
追記です

20年ほど前にArison(大型車のAT世界No.1シェアのメーカー)のサービス向上ではシャコ万使ってスナップワッシャーをグリグリ変形させていました。

| かのう | 2013/03/14 8:09 PM |
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