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TBI2016参戦記 DAY5
(注:本記事では、会場やルートの雰囲気をお伝えするために、SSER公式ブログより写真を何点かお借りしています)

■5/3(火) DAY-5
TOTAL 506.80km  DIRT 176.44km


疲れているはずなのに、午前五時になる数分前、アラームを待たずに目が覚めた。回りの人が起きるざわめきを感じたのか、それとも体が五時起床のリズムを刻んでいるのか。二段ベッドの上段で、コンタクトレンズを装着してウエアを身に着ける。そういった一連の動作を、何も考えずに自然に行うようになっている。何事も、続けていれば次第に慣れるものなんだな。

階段を下りて行くと、食堂の入り口付近にリザルトが貼られていた。


【クリックで拡大します】

■DAY1までのリザルト
SS-1 30位 DAY-1のみの順位 30位 DAY-1までの総合 30位
■DAY2までのリザルト
SS-2 31位 SS-3 24位 DAY-2のみの順位 24位 DAY-2までの総合 24位
■DAY3までのリザルト
SS-4 30位 SS-5 25位 DAY-3のみの順位 23位 DAY-3までの総合 20位
■DAY4までのリザルト
SS-6 21位 SS-7 16位 DAY-4のみの順位 13位 DAY-4までの総合 16位

途中で抜かれた上位の人に引っ張ってもらったSS-6、ライダーズハイ状態で走った夜のSS-7ともに、走っている時の実感通り、前日までに比べてどちらもかなりポジションアップしていた。DAY-4のみの成績なら13位、総合順位では16位に上がっていた。

その点では良かったのだが、同時に貼られていたDAY3の夜のSS-5の修正リザルトを、DAY-3の総合リザルトと勝手に勘違いして「順位が下がっている!これは何かが間違っているに違いない!」と動揺してしまい、正規の手続きを踏まないでスタッフに抗議しそうになってしまった。

「抗議は、抗議の対象となる理由を具体的に記述した文書に抗議料3,000円を添えて競技委員長に提出しなければならない。抗議料はその抗議が認められた場合にのみ返還される。」というのがルール。抗議の方法違反(口頭による抗議)は、一時間のペナルティがつけられる行為だ。

しかし、おそらくは僕の動揺する姿を見てのことだろう、正規の抗議手続きを経ていないのにきちんと調べてくれて、そこで僕は完全に自分の勘違いだったことに気がついた。出走前には、完走ができればいい、リザルトにはこだわらないなどといっていたのに、何をやっているんだろう。みっともなく取り乱し、違反寸前の行為を取ってしまったことを猛省した。今にして思えば「ここまで頑張っているのにどうして…?」と、精神的に動揺してしまったのだと思う。つくづく、弱い人間だと思う。

それでも気を取り直して、朝ご飯を詰め込み、ブリーフィングにのぞんだ。
朝のSS-8は昨夜のSS-7の逆走スタートであることや、午後から雨予報だが、夜には止みそうだということなどが発表された。また、37km地点のガソリンスタンドは、TBIのために特別に朝早くから開けてもらっているので、ここでみなさん必ず給油してくださいとのことだ。

午後から雨といっても、雨が降り出してから途中でカッパを着るのは面倒だろから、バイクにつけてあるカッパを取り外して、スタート前に着用しておこうと思い立った。パルクフェルメに立ち入ろうとしたら、いまっぽに止められた。
「おーい、なにやってんの!まだパルクフェルメは解放されてないよ!」
まだパルクフェルメ解放の五分前だった。いまっぽに止めてもらって良かった。朝から、二度もルール違反をしそうになるなんて…。疲労が溜まって、思考能力が低下しているのだ。

スタート前にカッパを着込んで、午前七時に定刻スタート。今日は20位だから7時10分頃のスタートだ。

とにかく疲れているらしい。今日は本当に気をつけて走らなければいけないな…と思っていたら、案の定、SS-8にたどりつくまでの林道の、なんでもないところで転けてしまった…今朝おろしたばかりのカッパが破れ、ハンドルのセンターが狂ってしまった。

SS-8の前のCP100フラッグで停車して、前に居た他の選手に頼んで、フロントタイヤを蹴ってもらって、ハンドルのセンターを修正した。これはもちろん、ルール上で認められている選手間のアシスタンスの範囲だろう。

SSは前日夜の逆走だとブリーフィングで聞いていたが、昨夜SSの入り口だったところがSSの出口ではなく、そこからまだ数キロ林道を走ったところが出口だった。28.39kmの左ターンを過ぎてしばらく行ったところで、バイクが横を向いているのが見えた。ハスクバーナに乗る小澤いずみさんだ。どうしたんだろう?と思いながら横を通り過ぎた。28.39kmのコマで少し距離が合わなかったし、さらにそこから30.83までの区間が2.44kmもあるため、先ほどの小澤いずみさんの姿を思い出し、あれ、もしかして僕がミスコースをしたのかな?とアクセルを緩めてしまったのだが、いやいや、そんなはずはないと思い直して再度加速した。それで5秒くらいはロスしたかも知れないが、大した問題ではないだろう。手応えはまあまあ、といったところだ。

8:30頃 本部通達の通り、37km地点のガソリンスタンドで給油。

先ほどSS内で横を向いていた小澤いずみさんに何があったのか尋ねたところ、もしかしたらミスコースをしたのかと、あそこでUターンしようとしていたのだそうだ。「あのまま行けば良かった!」ととても悔しそうだったが、地団駄を踏む姿がなんだか微笑ましくて、ご本人には悪いが、ちょっとなごませていただいた。

雨が降る前に少しでも先に進もうと思うのだが、やはりこの日もとにかく眠い。途中で、後ろからきたおーたきさんに「元気ないですよー」と言われてしまったが、実際元気はなかったのだ。

やがて、雨が降り出した。降り始めはほぼ予報通り、11時半ころだっただろうか。カッパはすでに着用していたが、グローブを雨用のグローブに付け替えた。今回使用したのは、トシヨシさんオススメの「テムレス」という青いグローブ。実はこれ、ライディング用ではなく、作業用ゴム手袋だ。

13:15頃 CP-1を通過。雨はまだそれほどひどくは降っていない。


CP-2に向かう林道は、あれこれと分岐がややこしかった。

207.74kmのコマで、どれが正解ルートがわかりにくく、バイクを停めてコマ図とにらめっこしていたら、すごい勢いでバイクが走ってきて、僕のバイクを見て急ブレーキをかけ、そのままズサーっとスライディング。おーたきさんだった。

このコマで曲がるつもりがなくそのまままっすぐ行っちゃいそうな勢いだったから、僕がこんなとこで停まってたせいで転んじゃって悪かったけど、ミスコースを未然に防いだということで許してもらおう。

223km付近、ガソリン補給ポイントの直前のコンビニエンスストアに停車。ここで停まったのは、駐車場に他のエントラントのバイクが見あたらなかったからだ。ルート上で仲間と会うことは嬉しいものだが、今日は雨で辛いぶん、つい話し込んで休憩が長くなってしまいそうな気がして、敢えて誰もいないコンビニにしたのだ。

トイレを借りて、おにぎりとフランクフルトを買って、コンビニの軒先を借りて五分で食べてから、強強打破というカフェインドリンクとアミノバイタルを摂取。この眠気と戦うにはドーピングするしかない。

230km地点で給油。一コマずつコマ図を消化するという思いで、黙々と走り続ける。

今回、アライのツアークロス3というヘルメットのシールドに、TXピンロックシートを装着し、ダブルレンズ仕様にしていた。この仕様であれば、雨の日でも非常に曇りにくいということなのだが…舗装のリエゾンでは問題ないのだが、ダートで運動量が増えて呼吸量が増えると、少し曇ってしまう。ピンロックの調整がうまくいってなくて、ピンロックシートのシリコンシールが、どこかでシールドに密着していなかったのかもしれない。また、ツアークロス3に標準でついているシールドはライトスモークシールドで、夜や雨の日の林間コースでは、微妙に暗いのが気になる。主にSSを走るときのために使用するゴーグルも持っていたのだが、シングルレンズのゴーグルだったので、雨が強いときにはこれもまた曇ってしまって前が見づらく、結局雨のダート内では、シールドをあげて裸眼で走ることも多かった。

次回またTBIに出ることがあるなら、ツアークロス用のクリアシールドを購入して、これにピンロックシートを装着し、シリコンシールがちゃんとシールドに密着してくもりにくい状態になっているか、事前に雨の日に被ってみてテストし、さらに別途、ダブルレンズのゴーグルも用意しておこう。なにしろ、視界の確保はなにより重要だ。

雨は時に強く、時に弱く降り続いている。
いつ天候がさらに悪化するかわからない。そのままCP2までほぼ休憩を取らずに走り続けた。

16時から開設されているCP2にたどりついたのは、すでに17時30分を過ぎたころだったと思うが、その時点でまだ十数名しか来ていないという。やはり、みんななかなか苦労しているんだな。

CP2でシールドの水滴を拭いたりして準備していると、スタッフさんが「残りもがんばってください」と、チョコレートをひとつくれた。「この先、SS-9までには、20kmほどのダートが一本あるだけで、あとは舗装ですから」というのを聞いて、少しほっとした。夜のSSの開設時間は25時までとかなりの猶予があるから、CP2さえ過ぎてしまえば、ゆっくり走っても、間に合わないということはないだろう。

確かにその後は、かなりの距離が舗装路だったのでずいぶん楽をすることができた。CP2をすぎてしばらく走ったあたりで、一時的に天気がかなり悪化した。しかし、速度を落として我慢して走っていたら、そのうち次第に雨は弱くなり、そのうち雨はほぼあがった。

これは後で知ったことだが、この時悪化した天気により、CP2手前のダートが濃霧に包まれて前が見えないほどの状況になり、それによって何人かの選手がCP2開設時間に間に合わない事態に陥ったそうだ。…そしてその中には、前日まで総合4位につけていた泉本さんも含まれていた。


【SSERからお借りしたイメージ画像です(笑)たぶん、CP2】

19:00前後 371km地点、「ここで必ず給油」という指定GSに入ったら、なおとくんがいた。
話を聞くと、朝のSS-8でパンクした際にタイヤが裂けてしまい、CP-1が不通過で一時間のペナルティーがついてしまったのだという。前日のトシヨシさんに引き続き、まさか、なおとくんにもそんな事件が起こっていたとは。ほんとに何が起こるかわからないな。

なおとくんがGSを先に出たが、そのうち追いついた。僕のライトがロービームでも少し上を向いていて、なおとくんがミラーにうつるライトをかなり眩しがっているのがわかったので、ごめん、ごめんと思いながら、手を挙げて前に出た。これ、光軸下げないとダメだな。

長い舗装路を走った後、421km地点から442km地点までが、SS前の最後のダート。
これがまた、かなり長く感じるダートだった。関東のダートライダーなら、大名栗林道や中津川林道ほどの長さで、多数のややこしい分岐があるダートを、ヘッドライトとコマ図だけを頼りに一人で走る状態…と言えば、その大変さをイメージしやすいだろうか。

ダートを抜けてふたたび舗装路を走り、やがて476km地点のSS-9にたどりついた。
CP100フラッグでバイクを停めて、まずはコマ図を予習してみる。

これまでのコマ図のクセから考えると、479.79の分岐が要注意かな。「だいたい道なり」と思って走っていると、ここで右にいってしまうかも知れない。あとはそれほど気にしなくてよさそうだ。
ウエストバッグを外して、リアタイヤの空気圧を調整。雨の影響があるかも知れないからちょっと低めで、でもパンクはしないくらい…0.75で行こう。そのくらいなら、その後の舗装路もエアを足さずにビバークまでは戻れるだろう。

SSスタート地点まで進み、いざ、スタート。
479.79の分岐、思ったよりわかりやすいね。ちゃんと確認できた。ここからは道なりでOKのはず。
出口にたどりついて、計測点を超えたところのSTOPボードの前で、停まりきれずに転倒した。まあ、ご愛嬌ということで…ポーズをとって写真を撮ってもらった。


このSSどうやった?面白かったですよ、おおむねフラットなんだけど、時々こぶし大の石が落ちてるんで油断ならないですね。ゴールまであとちょっとやから頑張ってな。はい、ありがとうございます、三時間しか寝てないから眠いです。そやろ、僕らも毎日二時間しか寝られへんわ。気ぃつけてな。

そこから舗装路に出るまで、4kmのダートが続く。舗装路に出たところで、さてシールドでも拭いて体制を立て直そうとしたところで、大変なことに気がついた。…ウエストバッグが無い!ウエストバッグには、何より大切なチェックカードが入っているのだ。前日までは、チェックカードはジャケットの袖についているポケットに入れていたのだが。この日は雨でジャケットの上にカッパを着ていたので、ウエストバッグの中に入れていたのだ。ウエストバッグの中に入れていたほかのものはこの際どうでもいいが、チェックカードなしでビバークにゴールしたら、ペナルティーを受けてしまう。

僕の五日間の頑張りがこれですべて水泡に帰してしまうのだろうか…?いや、絶対にこのままではビバークに帰れない。

SS入り口のCP100フラッグ地点でウエストバッグをはずして空気圧チェックをしたのは確かだから、無くしたとしたらその後だ。バックルがちゃんと嵌まってなくて、SS内で落としたか、またはSSを出た後の4kmのダートで落としたか?いや、あるいはそもそもCP100フラッグのところに置き忘れているのか?

ともかく、まずはSS出口の4kmのダートを、どこかにウエストバッグが落ちていないか下を見ながら、引き返すことにした。

すると、真っ暗なダートの向かいから、車が一台やってくるのが見えた。SSERのオフィシャルカーだ。どうしたんだと聞かれたので、もしかして、戻っちゃダメだと言われるかと思ってどぎまぎしながら、ウエストバッグをSSの前後のどこかに忘れたらしいので引き返しています、と説明したら、じゃあ気をつけて行ってください、と言われた。

SS出口まで戻って、事情を説明した。

確かにSS前までのCP100フラッグまではあったんです。チェックカードが入ってるので、このままじゃ帰れないんです。

まあ、失格にはならへんよ。大丈夫や。ちょっと待っとって。
無線でSS入口のスタッフに連絡をとってくれた。

…ウエストバッグは、あった。CP100フラッグのところに落ちていたらしい。そもそも、つけ忘れたのかも知れない。

ウエストバッグはそれなりに重いので、これからSSを走る選手に持たせる訳にはいかないから、後でスタッフが本部に持って行くという話になった。

でも、このままじゃ帰れないんです。チェックカードだけでも運んでいただくわけにはいかないでしょうか。

自分でもかなり無理なことを言っているのはわかっている。

が、それでもスタッフさんは対応してくれた。どこに入ってるん?お腹側の一番大きいポケットな。…あー、あったって。次の選手に、運んでくれるかどうか聞いてみるわ。

そして、次にSSを走る選手が、僕のカードを運ぶことを快諾してくれた。

やがて、SS出口で待っていると、向こうからヘッドライトが近づいてきた。ジェベルに乗るライダーさんだっただろうか。SSをゴールした後、「なんでウエストバッグなんか忘れたの?」と笑いながら、チェックカードを取り出して渡してくれた。僕にとっては、SSERスタッフさんとこの選手がまさに「神」に見えた。これで、ペナルティーを受けずに今日のビバークにゴールできる…。本当にありがとう。涙が出そうになった。でもまだちょっと泣くには早い。今夜のゴールまではまだ25kmあるし、明日も一日残っている。

再びダートを4km走り、舗装路を20kmちょっと走って、ビバークにたどりついた。
ウエストバッグをなくした事件でかなりのロスタイムがあり、すてに24時を過ぎていた。

暗くて良くわからないのだが、このキャンプ場はどうやら海沿いらしく、ピットエリアのテントがとばされそうなほどの強風が吹いている。風にとばされないように注意しながら、DAY-6、最終日のマップを巻く。チェーンにオイルをさす。

シラスくんが声をかけてくれた。あとどこを整備するの?

ハンドルガードが無かったんで、案の定クラッチレバーが曲がっちゃったのと、リアのブレーキパッドが残り1mmもないから、交換しなくちゃなんだよ。だけど、そのスペアパーツが今どっちも手元にないんだよ。ウエストバッグに入れてて、それをSS-9に忘れてきちゃったからね…。25時にSS-9をクローズしたあとにスタッフさんが持ってきてくれるって
話だから、25時半〜26時にならないと届かないかも。

じゃあ、先にテント貼ったり寝床作ったりしてきたらいいよ。もしその間に届いたら、俺やっとくからさ。

…シラスくんも、間違いなく神だ。なんとありがたいことだろう。

強風の中でテントを貼った。狭いテントなので、初日と二日目のキャンプ場ではダッフルバッグはテントの外に置いていたが、テントがとばされないように、重しとしてすべての荷物をテントの中に押し込んだ。

ピットに戻ると、ウエストバッグが届けられていて、すでにシラスくんがウエストバッグに入っていたリアブレーキパッドと曲がったクラッチレバーを交換してくれていた。ひたすら、感謝するしかない。

マシンをパルクフェルメにいれたのが午前2時すぎ。

すぐにでも寝ようと思ったが、やはりエネルギー補給が大事だと思い直し、10分でご飯を食べた。荷物をすべて押し込んだおかげでテントの中は狭く、荷物の隙間でなんとか一人が眠れるくらいの状態だったが、今の僕ならどんな環境でもぐっすり眠れる。

二時間半後には起床だ。そして、最後の一日がはじまる。すべての人に感謝しつつ、つかの間の睡眠を貪ろう。すべてが終わったら、いやになるほど眠ってやるんだ。
 
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